2021年に矢巾町中小企業振興基本条例が制定され、その翌年矢巾町中小企業振興基本計画が動き出した矢巾町。その後、計画で描いた「地域産業育成・お役立ちセンター」の自主学習会を継続的に開催してきました。コロナ禍を経て短期間に大きく成長、変化した矢巾町と共に、「地域の“今”と“未来”が見える学習会」を岩手同友会と共催で7月30日、矢巾町商工会にて開催しました。
第1部では、中同協のサポーターとしても全国各地で活躍されている、経済産業省中小企業庁事業環境部調査室室長補佐の田中幸仁氏によるRESAS(リーサス・地域経済分析システム)活用講座を、第2部ではそのRESASでの分析を経て矢巾町のまちづくり、地元企業の活性化などこれからの未来を語り合う意見交換を行いました。
地域の未来を描くために地域の実情を知る大切さ
RESASは地域経済に関する膨大なビッグデータを地図上やグラフで可視化できるツールです。昨年大きくリニューアルされ、民間のデータも活用できるようになり、またスマートフォンでの検索も簡単にできるようになりました。
今地域はどうなっているのか、膨大なビッグデータを見える化することで、自社や地域での課題が明確になります。
講座では田中氏にオンラインで検索の仕方を説明いただきながら、参加者が実際にスマートフォンを使いながら、人口動態の変化や今後の予測などを表示。本来有料のビッグデータが手軽に経営戦略や計画の立案にも生かせることを実感することができました。「こんなに簡単に貴重なデータが生かせることに驚いた。経営指針を更新するときに、自社の立ち位置を社内でつかむ際に活用したい」などの声もあり、データ分析・活用の大切さを実感した時間となりました。
第2部では、これまでの5年間の取り組みや昨年から続けてきた自主学習会を振り返り、「私たちは地域の若者に何を伝えるべきか」をテーマにグループ討論で意見を出し合いました。
岩手同友会が呼びかけ、商工会、議員、地域おこし協力隊など、立場が違う方々が集う中で、それぞれが「自分ごと」としてどう関わるかを真剣に考える機会となりました。
地域の方々と現実を基に未来を語り合うことがいかに重要か、地域の未来に責任を持つ中小企業の存在がいかに大切か、あらためて実感した時間となりました。
「中小企業家しんぶん」 2025年 11月 5日号より










